日刊建設新聞社.com
ニュース | トピックス | 建設業株一覧 | マーケット情報 | 建設用語辞典 | 倒産情報 | 地図 | 建設業法
 
トップページ► トピックス

新都市社会技術融合研究会の第4回セミナー、新規プロジェクトや研究成果も発表

◇◇◆鼎談・品確法時代を迎え、産学官連携強化へ◆◇◇ 産・学・官の連携で都市と地域の未来をひらく「第4回新都市社会技術セミナ ー」(主催・新都市社会技術融合創造研究会、大西有三委員長・京都大学大学 院工学研究科教授)が2月27日、大阪市西区の建設交流館で開かれ、官公庁や 自治体、各大学、建設業者ら関係者約330人が熱心に耳を傾けた。今回は鼎談 「品確法時代を迎えた産学官連携を考える」をテーマに大西委員長、樋口一 義・(社)日本道路建設業協会関西支部長(副委員長)、藤森弘・近畿地方 整備局道路部長(副委員長)が意見交換したのをはじめ、新規プロジェクト6 課題、プロジェクトチーム研究報告5課題が発表された。 冒頭、大西委員長が「産学官連携は社会の趨勢である。建設業者にとっては大 きな品確法というエポックメーキングな法律ができた中で、私たちがどのよう に対処していけばいいのか、いろんな立場から意見を伺いたい」とあいさつ し、大西委員長の進行役の下、それぞれ意見交換を行った。
まず、官の立場から藤森道路部長が品確法の基本方針などについて詳しく解説した後、「今後は民間の新しい 技術開発が総合評価方式の中で重要な役割を果たしていくだろう」と語った。新技術の活用については、国土 交通省の公共工事等における新技術活用システム(NETIS)を紹介。「2006年6月末までに約4,000件の 申請情報が登録されている。大学、産業界、研究機関、行政などで構成された新技術活用評価会議で、技術の 成立性、優位性、安定性、現場適用性が評価される」と語り、NETISの積極的な活用を促した。 学の立場から大西委員長が、新しい産学官連携の形や問題点などを指摘。この中で学をめぐる変化として、 「国立大学が法人化になり、人材育成と合わせて社会を支える技術に光りを与えようとする動きに少し雰囲気 が変わってきた」としながらも、「社会環境からみる建設業の産学官連携は、出遅れていると言わざるを得な い。少子化や人口減少、高齢化、急増するインフラ施設の維持・管理などについて、まだ対応が鈍い」と語っ た。具体的には建設産業が一品生産であること、汎用品の技術開発が難しいこと、異分野交流が行われていな いことなど建設分野の特異性を挙げ、「今後は学も国際競争力などを見据えて、若い学生にも土木・建築に夢 を与えていかなければならない」と強調した。 樋口道建協関西支部長は、「品確法は品質確保や談合防止とともに、未来の子供たちに優れた社会資本を残 す 大きな目的を持っている。産としても最大限努力していかなければいけない」と語った後、急増している 低入札価格に懸念を示した。また、課題としては「官主導で産が受動的な態度に終始している」、「研究開発 費も建設業は資本金100億円以上の企業でも0.4%、全産業の10分の1にも満たない」と産の現状を語っ た。 この後、出席者からの質疑応答も交え活発な意見交換を行い、様々な課題を克服し産学官連携を一層強化して いくことを申し合わせた。 同セミナーで発表された新規プロジェクト(6課題)とプロジェクトチーム研究報告(5課題)は次のとお り。(教授はプロジェクトリーダー) 【新規プロジェクト】 ▽「積雪寒冷地における舗装の耐久性向上及び補修に関する研究」   (小林潔司・京都大学経営管理大学院教授) ▽「鋼橋の疲労亀裂進展シミュレーション手法の開発とその維持管理への応用に関する研究」   (坂野昌弘・関西大学工学部都市環境工学科教授) ▽「道路防災モニタリングネットワークシステムの構築に関する研究」   (西山哲・京都大学大学院工学研究科助教授) ▽「景観性に優れたアーチカルバートを用いた盛土構造に関する研究」  (岸田潔・京都大学大学院工学研究科助教授) ▽「ITSを活用した道路交通ネットワークの調査・評価手法に関する研究」   「ITSを活用したまちづくりのための交通マネジメントに関する研究」   (谷口栄一・京都大学大学院工学研究科教授) 【プロジェクトチーム研究報告】 ▽「透水性舗装の現状把握及びそれの各種都市環境への影響評価手法の確立」   (大西有三・京都大学大学院工学研究科教授) ▽「排水性舗装混合物のリサイクル技術の研究」   (山田優・大阪市立大学名誉教授) ▽「既設構造物の延命化技術に関する研究)   (宮川豊章・京都大学大学院工学研究科教授) ▽「道路トンネル健全性評価技術の研究」   (大西有三・京都大学大学院工学研究科教授) ▽「橋梁のコスト縮減構造に関する研究会」   (家村浩和・京都大学大学院工学研究科教授)
2007年03月02日
▌トピックス
| Operation | 利用規則 | プライバシーポリシー | Connect |
Copyright c 2024 nikken-times.com All rights reserved.