進化する大阪港の姿1−夢洲トンネル
第1号沈埋函を沈設 夢洲トンネルの工事では先月、海底トンネルの本体となる沈埋函の1号函が設置された。同トンネルは、夢洲 と咲洲をつなぐ道路と鉄道の併用トンネルとして計画され、このうち道路部は「臨港道路」とし、国土交通省 の直轄事業として整備が進められている。 《今年度中に2・3号函も》 トンネルは、咲洲コスモ7号線から夢洲の幹線道路に至る2,238mのもの。アプローチ部となる陸上トンネル、 海底横断部の沈埋トンネルで構成され、このうち沈埋トンネルは延長806mで、沈埋函8函を接続して構築す る。 沈埋函は、長さ100m、幅35.4m、高さ8.6mを標準規格とし、構造は上床版と側壁をフルサンドイッチ、下床版 をオープンサンドイッチとした鋼コンクリート合成構造。内部は、中央を鉄道軌道部としてその両側に道路を 配したもの。道路は幅員3.25mの往復分離2車線で第4種1級の規格。 今回、沈設された第1号の沈埋函は、平成15年から製作が進められていた。昨年5月に堺市の造船所ドッグか ら2号函とともに曳航され、艤装工事が実施されるとともに、沈設予定地での準備作業も行われていた。昨年 11月19日に沈設作業の作動確認を行い、20日に沈設を終えたもの。 沈設は、操函ワイヤーで函体を維持しながら函内に注水して設置されたが今回、沈埋函に据え付けたコントロ ールタワーは従来のツータワー方式から、「ワンタワーポンツーン方式」を国内で初めて採用。沈設作業によ る航路制限期間を短縮できるなどのメリットがある。 夢洲トンネルの工事は平成13年から実施されており、これまでに両側アプローチ部の基礎工事や夢洲の立抗 (鋼殼ケーソン)設置、沈埋函設置予定海域での浚渫工事などが行われた。 現在では、咲洲側アプローチ部の躯体築造工事9工区のうち1工区は今年3月、2工区は平成19年3月に完了 の予定。また夢洲側では、今年3月末を工期として、9月から延長320mの鋼管矢板の打設が行われており、来 年度からは陸上トンネルの構築が開始される。 また沈埋函は、1号函に続き今年1月中旬には2号函の設置を予定しており、3月末までには3号函も設置さ れる。トンネルの完成は平成19年度、供用開始は同20年度を予定している。 【写真:工事の進む夢洲トンネル】
2006年01月03日
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