戸田建設、小口径、長距離シールド工事の掘進完了
《ビットの摩耗低減》 この条件を克服するため、シールドマシンのカッタービットの材質は耐摩耗性に優れた新素材ビットを採用 し、特殊先行ビットと先行ビットはカッタービットより35m高く取り付けて長距離対策とした。 また、掘進管理では、同社の保有特許である省面積立坑システムの一技術のリアルタイム切羽安定管理システ ムを採用し、地山の土質の変化に素早く対応した。長距離施工の掘進サイクルタイムを確保するために後続台 車、中継ポンプを改造して小型化し、通常は一リング/回のセグメント運搬を二リング/回運搬とし、サイクル タイムの低減を図った。さらに、PHSによる入坑管理システムと、西松建設(株)と共同開発したICタグ を使用したバッテリーロコ運行管理システムを採用し、坑内でのバッテリーロコと入坑者の通行の安全性を高 めた。 シールド一次覆工は2004年10月4日から鏡切りを開始し、計画より2か月早い2005年10月18日に無事故で所定 の位置に到達した。1日の平均掘進量は16mで、最大月掘進量は536m/月を記録。長距離施工によるビットの摩 耗は、ビット摩耗量10m、15mを検知できる摩耗検知ビツトで測定したが、到達まで検知されなかった。シール ドの掘進精度については、坑内出来形管理基準値(水平、鉛直±100m)以内で、3,325m付近で行ったチェック ボーリングによって地上との測量チェックを行った結果、許容誤差100mに対して水平41m、距離33mの誤差だっ た。今回の工事では、小断面、長距離施工に対してビットの摩耗低減、坑内のセグメント運搬の安全性確保や 高速施工、施工精度の確保など良好な施工結果を得ることができた。同社では今回の工事で培った小断面・長 距離工事の経験を活かし、今後のシールド工事やトンネル工事の計画・施工管理に反映させる予定。
2006年04月20日
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