神戸市立中央市民病院整備運営事業、ＰＦＩの実施方針発表

11月に入札公告、総合評価一般競争で 神戸市では、ＰＦＩ事業により移転・建替を予定している中央市民病院に関し てこのほど「神戸市立中央市民病院整備運営事業実施方針」を発表した。現施 設をポーアイ２期地区に移転し、病床640床、延面積約６万4,000?を建設する もので、今後、特定事業の選定を行い、総合評価一般競争入札により来年８月 には落札者を決定、2010年度内の完成を目指す。 【写真：市民病院の建設予定地。左端手前の建物が先端医療センター】
この事業は、1981年にポートアイランドに開設した市民病院の施設・設備面での経年劣化や老朽化に加え、医 療技術の進歩や多様化する患者ニーズに対応し、市民の求める医療を提供するため、新たに移転新築による整 備を行うもの。神戸市では2004年に策定した基本構想を基に、今年３月に基本計画案をまとめていた。 計画では、ポートアイランド二期地区で整備が進む神戸市医療産業都市構想地区の先端医療センターに隣接す る敷地約４万5,000?に、延べ面積約６万4,000?、病床640床の規模とし、災害時には別途300名程度を収容で き、併せて1,000床程度での運用が可能となるよう整備する。 事業方式は、施設の設計・建設、工事監理を行い、施設建設後は市に所有権を移転し、事業期間中は維持管 理･運営業務を行うＢＴＯ方式とする。事業期間は、設計・建設期間を約３年３か月、維持管理・運営は30年 間としている。事業者の業務範囲は、統括マネジメント業務、施設設計・建設業務、施設維持管理業務、医療 情報システム構築・運営業務、物流管理運営業務、顧客サービス業務、医療関連サービス業務、移行支援業 務。 事業者は単独法人か複数の法人で構成されるグループとし、事業にあたっては特別目的会社（ＳＰＣ）を設立 して行う。応募資格のうち設計業務担当者は、1996年４月１日以降に、一般病床500床以上又は救命救急セン ター機能を有する病院の設計業務を主契約者として受注し、設計が完了し着工した実績を有すること。 また建設業務担当者は、建築一般で神戸市の工事請負競争入札参加資格を有する特定建設業者で、直近の経営 事項審査の建築一式の総合評点が1,200点以上であり、1996年４月１日以降に一般病床500床以上の病院を完成 させた施工実績を有することとしている。 今後のスケジュールは、10月下旬に特定事業に選定、11月上旬には入札を公告し、参加資格確認を12月に締め 切る。事業者の選定は2007年８月に総合評価一般競争入札（ＷＴＯルール）で行い、同月に事業契約を締結す る。病院施設は2010年度内に完成させ、2011年春から2041年春まで維持管理・運営業務を行う。 　 なお、21日には事業参画を希望する民間事業者を対象とした説明会が開催され、108社の担当者が出席したほ か、23日まで実施方針に対する質問・意見等の受付が行われた。
2006年08月28日