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近畿整備局「 京奈和自動車道・大和北道路シンポ」 世界遺産都市ならのみちづくりを考える

◇◇◆地下部分は深さ40mを想定 平城宮跡・木簡など保存◆◇◇ 近畿地方整備局は11日、「世界遺産都市ならのみちづくりを考える」をテーマ とした京奈和自動車道・大和北道路シンポジウムを奈良県文化会館で開いた。 同シンポには関係者や一般市民ら約520人が参加。奈良文化研究所の田辺征夫 所長の「平城京と道路 開発と文化財の調和 」による基調講演、ルート・構 造や観光資源などについて活発な意見交換を行ったパネルディスカッションに 熱心に耳を傾けた。
〜藤森道路部長、大西京大教授ら意見交換〜 大和北道路は、奈良市歌姫町と大和郡山市横田町を結ぶ約12.4?の高規格幹線道路で、京奈和自動車道(延長 約120?)の一翼を担うもの。計画されている県北部には、平城宮跡をはじめ世界遺産に登録されている埋蔵 文化財が数多くあることから、近畿整備局はこれまでもPIプロセスを導入し、有識者らで構成した地下水検 討委員会、文化財検討委員会、大和北道路有識者委員会を設置して市民の意見を聞きながら審議を重ね、ルー ト・構造を検討してきた。その結果、最も優位なルートとして平城宮跡から離隔距離が長い「西九条佐保線地 下+高架案」を選定。しかも地下部分(約4?)は深さ約40mを想定するなど、文化財に与える影響を最大限 考慮している。今後も都市計画及び環境影響評価の手続きを進めていくことで合意しているのが現状だ。 こうした背景のもと、今回開催された同シンポジウムでは、冒頭、あいさつに立った近畿地方整備局の藤森 弘道路部長が「大和北道路は、奈良県の南北軸の道路を強化し、国道24号などの渋滞緩和を図るのが大きな目 的。世界遺産と道づくりを調和させていくためにも皆さんのご協力をお願いしたい」と述べ、市民の理解を改 めて求めた。 基調講演を行った奈良文化財研究所の田辺所長は、「平城京の基本は道路計画。目的地にまっ すぐ通すことだった。地下には道路の遺構が顕著に残っている。古代のまちづくりとの整合性をどう図ってい くかが重要だ」と語った。また、地下部分と高架部分で構成する大和北道路の計画については、「埋蔵文化財 の価値は地下にある。損なわれる開発であってはならない。地下40mであれば遺構にも影響はないと思う。た だ、平城宮跡には一級の資料となる木簡が数多くある。地下水が豊富なところに木簡が存在し、地下水変動に 影響を受けやい」と指摘し、「大和北道路地下水モニタリング検討委員会の調査で、今後、そのデータがどう 使えるか注目している」と語った。 引き続いて行われたパネルディスカッションでは、パネリストに近畿整備局の藤森道路部長、京都大学大学院 工学研究科の大西有三教授、奈良大学の水野正好名誉教授、(株)読売奈良ライフ代表取締役の朝廣佳子さん の4名、フリーアナウンサーの三宅道子さんがコーディネーターを務めた。 まず、水野氏は「奈良にとって母なるものは平城京。木簡では、長屋王の邸宅やその当時の生活ぶりも分かっ た。この木簡を保存することが第一」と語った上、「奈良は、東西の道路は発達しているが南北が弱い。大和 北道路の建設は必要。地下を含めた建設をずっと願っていた」と現在のルート・構造に理解を示した。 地下水モニタリング検討委員会の委員長でもある大西氏は、「奈良盆地は多くの地下水がある。この地区も地 下では北から南にかけて何十年もかけてゆっくり水が流れている。大和北道路建設は、水圧に耐えられる大断 面のシールド工法でクリアできると考えている。地下水のモニタリングはずっと実施していきたい」と述べ た。また、「これまで考古学に対して土木工学はあまりにも無関心すぎた。最新の探査技術でプロジェクトを 進めていくこの計画が、今後の1つのポイントにもなる」と考古学と土木工学の融合を強調。 朝廣さんは一般市民の立場からアンケート調査の結果などを参考に「奈良県の道路整備は、80%が必要と答え ている。ただ、大和北道路については、ルートや構造について知っている人は少ない」と述べ、市民の関心が 薄いことに懸念を示した。観光資源としての道路建設では「地下の壁に平城京の壁画を描いたり、それぞれの ルートに世界遺産を知ってもらう観光案内のような工夫も必要ではないか」とのアイデアを紹介した。 藤森氏は「都市計画決定に向けて事業を進めていきたい。木簡は、モニタリングでどう保存できるか、また、 大深度の地下建設にも万全を期したい。道路建設は、市民の意見が最優先されなければいけないと思ってい る。今後もNPOとも連携を深め、幅広く情報を提供するとともに、こうした場をつくっていきたい」と語っ た。
2007年03月16日
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