日刊建設新聞社.com
ニュース | トピックス | 建設業株一覧 | マーケット情報 | 建設用語辞典 | 倒産情報 | 地図 | 建設業法
 
トップページ► トピックス

近畿整備局 神戸開港140年記念シンポ

 近畿整備局神戸港湾事務所「神戸開港140年記念シンポ」       神戸のルーツを探り、開港都市「神戸」を語る 1868年(慶応3年)1月1日に神戸港が世界に向けて開港してから今年で 140年。これを祝う多彩な記念行事が神戸で開催されている。近畿地方整備 局神戸港湾事務所も25日、神戸市中央区の神戸海洋博物館で、海港都市「神 戸」を語るーと題した神戸開港140年記念シンポジウムを開いた。
シンポには関係者や一般市民約200人が参加。 冒頭、あいさつに立った近畿整備局の片桐正彦副局長は、「コンテナ船も就航を開始して以来、今年で40周 年を迎えた。いま神戸港では、世界中を効率よく低コストで往来でき、アジアとの交流をさらに深めていくた めに水深の深い岸壁整備を進めている。 今後は、ただ単に整備だけでなく、使いやすい港を目指し、大阪港などとの密接な連携が必要」と、阪神港ス ーパー中枢港湾プロジェクトの必要性を語った。 シンポジウムでは、まず、神戸大学名誉教授で神戸外国人居留地研究会会長の神木哲男氏が「神戸港のルーツ を探る」をテーマに基調講演を行った。 この中で神木氏は、平清盛が大輪田泊(停泊地)を整備し、防波堤となる人工島・経ケ島を建設して大輪田泊 から兵庫津(津は大型港湾やターミナルポートを意味する説が有力)へ発展させ、中国(宋)との貿易を開始 した経緯、また、北前船の交易で豪商となって神戸港の発展に尽力したた高田屋嘉兵衛などについて詳しく解 説。 「神戸港は兵庫津の整備を抜きにしては語れない。平清盛のベイエリア開発を入れると1、000年の長い歴 史がある。140年はその一つの節目にすぎない。 兵庫と神戸は一体である」と指摘。また、「神戸の歴史や街を語ることは、神戸の港を語ること。私たちは、 もう一度そうした観点に立って、神戸の生活を考えていかなければならない」と強調した。 この後、神木氏、作家の玉岡かおるさん、神戸大学大学院人文学研究科の奥村弘教授、神戸新聞社編集委員の 山崎整氏(おもしろ神戸・ひょうご学ナビゲーター)の四名で座談会(コーディネーターは中野綾子さん)を 催し、「神戸港の発展に所縁のある歴史上の人物」にふれながら、開港以前、これからの神戸についてそれぞ れ思いを語った。   ■玉岡さんは、幻の商社と言われる「鈴木商店」を挙げ、鈴木よね・金子直吉の活躍を振り返った。  鈴木商店は、戦時中に日本一の売上げを記録し、ヨーロッパで最も名を知られた卸商社。  日本に近代を植え付けたとされている。その功績はいまの神戸製鋼、帝人など発展の礎となった。「戦時中  はスエズ運河を通る3分の1は鈴木商店だったと言われている。  神戸港とも深い係りがある。しかし、神戸港は阪神大震災で大きな被害を受けた。いま外国の船が戻ってこ  ない。  今後は、日本の緻密さ、丁寧さ、アフタサービスを第1に、安全で真心のこもった人間の力で神戸港を復活  させていくことが大事だ」と強調した。 ■山崎氏は、勝海舟が神戸で海軍操練所を作り上げ、陸奥宗光をはじめ優秀な人材を輩出した業績を称え、  「勝海舟は神戸港の魅力に注目していた」と。「今後は大阪港と一体となって整備していくことが必要」と  力説。 ■奥村氏は本山彦一や鹿島秀麿の名前を挙げ、「神戸港がアジアに開かれていることが第1条件。いろんな文  化の共生を図っていかなければならない」と語った。 ■神木氏は「いま、人と港の距離が少し長くなっているのではないか。また、港が整然と整備され、きれいに  なりすぎるのも海のにおいがなくなるのでないかと危惧している。  この140年を機に、親水空間をもう一度取り戻す努力が必要だ」と指摘した。
2007年08月27日
▌トピックス
| Operation | 利用規則 | プライバシーポリシー | Connect |
Copyright c 2024 nikken-times.com All rights reserved.