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鴻池組、旧鴻池本社ビルで連結制振構法の効果を確認

(株)鴻池組(玉井啓悦社長)はこのほど、ダンパーで連結した複数の実建 物を用いた振動実験を実施し、振動性状の異なる隣接する建物をエネルギー 吸収能力の高い部材で連結し、互いの振動を制御する連結制振構法の効果を 確認した。 実験は大阪市の旧鴻池本社ビル4棟(1棟は12階建て、他は9階建て)のう ち2棟を対象とし、隣接する複数の建物をオイルダンパーで連結した建物の 解体にあたり、連結制振動の効果確認のため行われたもの。今回は急速開放 油圧ジャッキ(最大荷重1,800kN)3台を九階床レベルの建物間に設置し押 し広げ、急速に荷重を除くことで建物を自由振動。ダンパーが取り付けられ た状態と取り外した状態の両方で実験し、結果を比較してダンパーの効果を 確認した。 実験結果の概要は ▽ダンパーを取り外した状態と比べ、取り付けられている場合には棟間変  位、加速度いずれも振幅が早く減衰した ▽加速度記録から計算した減衰定数は、ダンパーを取り外した状態では9%  だったが、ダンパーが取り付けられることで13%に増大した ▽ダンパーが取り付けられている場合の振幅は、除荷後4秒付近でダンパー  を取り外した場合の振幅の70%程度に低減された―など。
同建物ではダンパー設置による耐震改修後地震観測を実施し、多くの記録を得ており、同社では今回の実験 結果をもとに地震時の解析を行って地震時のダンパーの効果についてさらに詳細な検討を行うとともに、建 物に設置されていたオイルダンパーの一部を回収し出荷時と同じ条件で振動実験などの検査をし、性能確認 を行う予定。 鴻池組 http://www.konoike.co.jp/
2008年03月25日
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