兵庫県景観形成重要建造物第３次指定 ユニチカ記念館、西脇小など10件

 まちなみなどの保全・維持管理  兵庫県では、歴史的まちなみや優れた景観を適切に維持・保存するため、景 観形成重要建造物等の指定制度を設けているが、このほど第３次指定（2007 年度）として、ユニチカ記念館や西脇小学校など１０件を選定した。指定を 受けた民間所有建造物に対しては修景事業に対する助成制度が活用される。 兵庫県では、「景観の形成等に関する条例」に基づき、歴史的まちなみなど を景観形成地区に指定し、優れた景観の保全・創造を推進しながら、地域の 良好な景観形成に重要な役割を果たす建築物、樹木を「景観形成重要建造物 等」として指定する制度を設け、単体として適切な保存・維持管理を行って いる。 この景観形成重要建造物等の指定については、第１次として2005年度に12 件、第２次の同2006年度には10件を指定し、今回第三次として指定が行われ たもの。第３次指定では、景観形成審議会（会長＝鳴海邦碩・大阪大学大学 院教授）に諮問した結果、３月28日に指定が行われた。
選定では、指定文化財等などを除き、歴史的や文化的価値のみならず、地域景観のシンボル性や住民らへの 親しみなど、地域の景観形成への寄与の観点から実施。指定した建造物等に対しては、現状変更時に届出を 求め、維持管理への指導助言を行って優れた景観保全を図り、周辺住民の地域景観の保全と創出、それらへ の意識向上、活動促進を期待している。 なお、指定を受けた民間所有の建造物については、修景事業にあたり、最大330万円までの助成が受けられ る。 今回、指定された建造物等は次の通り。（▽名称＝?所在地?選定理由） ▽ユニチカ記念館 ?尼崎市東本町?1900年建築で、県内に残る本格的煉瓦造事務所として貴重 ▽靜思館　　　　　　　　　　　 ?猪名川町上野?町で最大の純和風建築の旧富田邸を譲受、文化活動や交流活動に利用 ▽茨木酒造　　　　　　　　　　 ?明石市魚住町?洋館を中心に江戸時代からの酒蔵が建ち並ぶ「西灘」を代表する景観を残し、イベントも 盛況 ▽西脇小学校　　　　　　　　　 ?西脇市西脇?1873年開校、平成元年に大改修されたが木造校舎の良さが残り、映画火垂るの墓のロケ地 ▽難波酒販店　　　　　　　　　 ?神河町中村?但馬街道沿い宿場町栗賀町・中村地区の中心に位置する伝統的様式の町屋で地区のシンボル 的建物 ▽うすくち龍野醤油資料館 ?たつの市龍野町?昭和７年に菊一醤油の本社事務所として建設された洋風建築で、景観形成地区のシンボ ルとして江戸期からのまちなみと調和 ▽うすくち龍野醤油資料館別館　 ?前同?旧龍野醤油同業組合事務所で、景観形成地区のシンボルとして歴史的まちなみを代表する存在（同 ?） ▽生野まちづくり工房「井筒屋」 ?朝来市生野町?吉川家が営んでいた生野銀山の郷宿、地区のまちづくり活動や観光拠点施設 ▽平岩家住宅　　　　　　　　　 ?丹波市青垣町?江戸時代の代官屋敷で、丹波の風景として残すべき貴重な建物 ▽菊川家住宅　　　　　　　　　 ?南あわじ市湊里?戦国時代に湊城跡に建つ由緒ある旧家で、現在も住宅として湊里村を代表するシンボル 的存在
2008年04月21日