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BCS関西の大規模現場見学会 京大稲盛記念館新築現場

 淺沼組の施工、PCa材と極細S柱で空間構成  (社)建築業協会関西支部(奥村太加典支部長)の大規模現場見学会が10 日、(株)淺沼組が施工する「京都大学稲盛財団記念館新築工事」作業所 (京都市左京区吉田下阿達町46)で開催された。同支部の技術専門委員会 (宮崎宏委員長)が支部会員を対象に実施しているもので、見学会には会員 各社から担当者ら30人が参加した。同工事では、「PCa材と極細S柱を用 いた構造部材による空間表現」の実現に取り組んでいる。 建物は、財稲盛財団が、大学院アジア・アフリカ地域研究所などの学校施設 として、京大薬学部構内に、RC造1部S・SRC造地上3階建て、建築面 積2.425?、延床面積6,148?の規模で計画したもの。設計は(株)三信建築 設計事務所、(株)日建設計が担当している。 見学会に先立ち、BCSを代表して宮崎委員長が、建物が長大であることや 特徴ある外装などの見所を紹介しながら、「いろいろと参考にしながら今後 各自の業務に役立ててほしい」と挨拶。また、作業所の山本善彦署長は、 「我々とは別の視点から見学して、いろんな意見をいただきたい」とし、そ れぞれ見学会の成果に期待を寄せた。
この後、作業所スタッフから工事概要と作業ポイントの説明を受けた後、山本所長らの案内により現場を見 て回った。建物は西ウィングと東ウィングで構成され、特に西ウィングは、鴨川沿いに南北に伸びる長さ 121.94mで、そのファサードは前面に真竹の植栽を施しながら「竹」をイメージしたものとした。 竹を表現する極細断面を実現するのが極細S柱。1階のPCa柱の直上に2層分の極細S柱を建てたもの で、PCa柱を支える基礎にはPCa柱用スリーブ継手(プレグラウト工法)を採用。また、PC合成床版 を採用することで、梁を少なくした大空間フロアも実現した。外壁はコンクリート打放しクリアフッ素塗装 仕上げとしたが、実施工に際しては実大試験体(モックアップ)による事前検証を行っている。事前検証で は、本実打放し(杉)と、ベニヤ打放し出目地(ベニヤ小口とブラ目地)の3種類のモックアップで打設方 法を検証している。 さらに、長大建物におけるひび割れ制御対策としては、通常、EXP・J(エクスパンション・ジョイン ト)を用いるが、同工事ではデザイン上からEXP・Jを用いず、躯体に収縮帯を設置。当初予定2カ所か ら4カ所とし、収縮帯間の構造躯体の収縮量を小さくすることで、建物全体の長辺方向の膨張収縮によりひ び割れ発生の抑制効果を高めたほか、膨張材や収縮低減剤、耐力壁のひび割れ制御のための鉄筋挿入工法を 採用した。 これら取り組みのうち、PCa柱や収縮帯の設置数などは、当初設計から施工時に変更されたほか、現場が 大学構内であることや、作業スペースに起因する制約が課せられる現場となっている。 工事は、2007年9月に既存施設の解体撤去からスタートし、同11月から建築工事に着手した。現在は屋根や 外装・内装工事を実施中。竣工は今年10月31日の予定。進捗率は約72%で、約11万時間に及ぶ無事故・無災 害記録を継続中。
2008年07月14日
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