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鹿島と川崎重工「アポロカッター工法」開発 東急電鉄、東横線地下化工事に適用

 硬質地盤、多断面対応のシールド掘進機  鹿島(株)(中村満義社長)では、川崎重工業(株)(大橋忠晴社長)と共 同で、円形から馬蹄形まで多様な断面に対応でき、さらに硬質地盤などにも 威力を発揮する「硬質地盤・非円形対応シールド掘進機(アポロカッター工 法)」を開発、川重播磨工場で公開した。シールド前部に公転ドラムとその 先端に高速回転するカッターヘッドを取り付けたシールド機としてはこれま でにない構造のもので、東京での鉄道地下化工事に初めて適用される。
アポロカッター工法は、シールド機前面に公転ドラムを設置し、さらに揺動フレームを介してカッターヘッ ドを取り付けた構造。カッターヘッドが高速回転(自転)しながら揺動フレームの揺動角度と公転ドラムの 公転角度を位置制御して、任意断面を掘削。今回、製作されたシールド機は、同構造を水平方向に2連組み 合わせ、鉄道複線断面を包括する矩形断面で掘削するもの。泥土圧式シールドで、縦7.44m横10.64m、奥行 き8.95mで、川重播磨工場で約1年半かけて製作された。 2連の公転ドラムは、時計回りと逆時計回りにそれぞれ回転、ドラムに取り付けられたカッターヘッドも各 ドラムの回転と同じ回転となる。またカッターには、各種の実証実験の結果、フラットスポーク型を採用。 カッターヘッドは毎分50mの速度で回転し、ドラムは4分で一工程を終え、1分間で3?掘進する。特徴と しては、円形や矩形、馬蹄形など、円形・非円形の多様断面に適用でき、大断面シールドに比べ、カッター 部分が小さく、高速回転のため硬質地盤でも良好な切削性能を発揮するほか、松杭等の地中障害物切削にも 効果を発揮。 さらに、カッター構造部は他の掘削装置への転用が可能で、転用によるコスト縮減や環境負荷が低減でき、 断面が小さいことから、排出残土の抑制や新規製作する場合でも工期短縮にも期待できるとしている。 地下鉄工事や地下通路の工事では、横に広がりのある空間を効率的に掘削するために矩形断面シールドへの ニーズが高い上、大深度法の適用により硬質地盤に対応するシールド機の需要も増えつつある。これらを背 景に、様々な矩形断面に対応するシールド工法を開発・保有する鹿島と、硬質地盤や大口径シールドの製作 技術を有している川崎重工が、両社の持つシールド技術を融合してアポロカッター工法の開発に至ったも の。 同シールドを適用する工事は、東京急行電鉄(株)が発注し、鹿島・西松・鉄建JVが施工する「(13号相 直)東横線渋谷から代官山地下化工事(土木工事第一工区)」で、施工延長577.0mの区間。今年10月に搬入 され、来年4月の掘進開始を予定している。同工法について鹿島では今後、同社が開発してきた矩形断面の 掘削工法にさらにメニューを追加して、掘削対象となるトンネルの状況に応じて適切な工法を積極的に提案 していく考え。 なお、アポロカッターとは、All(あらゆる)のA、Potential(可能性を秘めた)のPo、R otary(回転式)のRo、Cutter(カッター)から。
2008年08月26日
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