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戸田晴久・大阪府住宅まちづくり部長に聞く 府有施設の耐震化9割はミッション

今年度の大阪府予算は、暫定予算から本格予算と財政再建を目指した厳しい予算編成 となった。その中で、府有施設や住宅、まちづくりの整備を担当する住宅まちづくり 部では、「安全・安心」をメインテーマに、施設の耐震化や密集市街地の解消へ向け た取り組みを進めている。それら事業について戸田晴久部長は「ペースダウンは避け られないが、目標達成へ最大限努力する」と、職員の奮闘に期待を寄せる。それらの 取り組みと来年度のかける想いを戸田部長に聞いてみた。 箕面森町や第2京阪沿道、計画的なまちづくり誘導を ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――今年度は、財政再建下での事業執行となりましたが、これまでの経過をお聞かせ下さい。 ■戸田部長 暫定予算から本格予算へと、いろいろとご迷惑をおかけした部分はあると思います。その中で は耐震対策については中断するわけにはいかず、知事に対して訴えておりました。その結果、府立高校の耐 震改修については暫定予算でも組んでいただきましたから、当初計画通りの執行となりました。また、民間 木造住宅での耐震診断や耐震改修に係る計画を策定し、耐震改修の補助制度について市町村に作業をお願い していたところで、これも暫定予算に計上していただきました。ですから、耐震の部分についてはある程度 の実績を残せたと思います。 ――本格予算の編成にあたっては、PTとの議論がありました。 ■戸田部長 我々のメインテーマは、「安全・安心」で、府営住宅の安心と、密集市街地の耐震という安 全、さらに我々が管理する箕面森町という大規模開発、この3つで議論させていただきました。2015年度ま でに耐震化率9割を目指すプランの中で、府営住宅は3年トータルで20%の削減となり、ペースダウンはい たしますが、府営住宅整備基金を活用しながら何とか踏みとどまれるかなと思っております。密集市街地に 関しては、地元市の責任か、広域行政として府の責任かで意見が分かれましたが、エリア全体での防災機能 強化という観点から、減額とはなりましたが補助金は確保しました。 ――箕面森町は見直し対象事業でしたね。 ■戸田部長 既にまちびらきしている第1区域とは別に、将来、第2名神高速道路と関連する第3区域があ り、この第3区域が議論の対象となりますが、何か箕面森町全体を中止するというような不評被害的な部分 がありました。この点については知事にもご理解いただき、売主は大阪府であることから知事自らアピール していただいております。第3区域に関しては、第2名神の進捗と関わってきますから、2012年頃にはある 程度判断が付きますから、それを目途にリサーチを続けていこうかと考えております。 ――彩都での企業誘致、第2京阪道路沿道でのまちづくりについての調査もされております。 ■戸田部長 彩都では、土地が造成されれば企業は立地すると言い、事業者は進出するなら造成すると、卵 が先か鶏が先か的な議論があり、このため提案型市場調査を実施したところです。これは企業側の意向を聞 いた上で企業ニーズに合った対応をするもので、予想以上の効果があったことから箕面森町でもこの手法の 採用を考えております。第2京阪沿道調査は、地主の意向と企業の意向をつき合わせるもので、2009年度の 第2京阪供用後の沿道の乱開発には我々も懸念がありました。このため、計画的なまちづくりの誘導と景観 条例を策定するもので、早めに手を打っておこうと思っています。 ――さて来年度の事業ですが。 ■戸田部長 引き続いて安全・安心をテーマに、民間住宅と府有建築物の耐震化、府営住宅での建て替え等 を推進してまいります。予算的には事業費ベースで1,58億円、今年度の本格予算より120億円以上、13%増額 を要求しております。府営住宅の建て替えでは今年度は958戸、来年度は2,131戸、高層住宅での居住しなが らの耐震化工事では今年度499戸、来年度は2,726戸と本格化します。 ――予算的にも工事量でも大幅な増加となりますね。 ■戸田部長 数字だけを見ればそうなりますが、内実は今年度に見送った事業を上乗せしたものです。目標 とする耐震化を予定通りに実施するためにはこれぐらいのペースが必要です。今後の査定でどのような結果 が出るかはこれからですが、住宅まちづくり部としては、2015年度の耐震化率9割はミッションだと思って おります。民間住宅耐震化については今年度、耐震診断補助制度で府内43市町村で揃いました。耐震改修も 今後の伸びが期待されますが、まずは耐震診断をもっと盛り上げるためにPRに努めてまいります。 ――いずれにしろ、少ない予算の中でのやりくりで厳しいことは確かですね。 ■戸田部長 ええ、府営住宅では活用用地を出来るだけ処分し、その処分益を府営住宅整備基金に入れて建 て替えを促進し、また今年度には、団地内に自動販売機を設置したところある程度の利益が出ました。さら に府営住宅で空きのある駐車場を開放するなど、歳入の確保に向けて職員が努力しております。 ――入札制度では、総合評価方式で昨年度は一件ありましたが今年度の予定は。 ■戸田部長 昨年度は母子保健医療センターでの耐震改修工事で実施しました。今年度はAランク以上、耐 震改修ではB1ランク以上まで拡大し、24件で実施しております。方式では技術審査型と技術提案型の2類 あり、簡易方式である技術審査型を中心に実施しましたが、やはり課題は審査に時間がかかりすぎること で、今後はその反省を踏まえながら、来年度は対象をもう少し拡大していこうかと考えております。契約に 関しては知事の指示もあり、契約率も持ち直してきてはおりますが、国の緊急経済対策の早期実施が望まれ ますね。 ――職員の方達とともに頑張って下さい。ありがとうございました。
2009年01月07日
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