日本都市計画家協関西、京町家の研究会招きセミナー
セミナーには、富田林市の多田利喜市長も顔をみせ、冒頭、「寺内町を存分に楽しんでもらいたい。年々雰 囲気も変わり、全国からの注目度も増してきた。今後は歴史資産を保全活用しながら駅前広場の整備を進 め、富田林市の新しい顔づくりを進めたい」とあいさつ。その後、座論で招待された京町家再生研究会メン バーと富田林のまちづくりメンバーが、それぞれ町家再生への考えを語った。 京町家再生研究会メンバーの松村篤之介さん(京町家友の会会長)は「京町家で3世代にわたって住んでい る。町家は次世代に伝えていかなければならないが、時代の変遷で大きな課題に直面している」と世代の継 承問題を指摘。富田林のまちづくりメンバーの橋川光司さん(寺内町をまもりそだてる会会長)からは「駅 前再開発(断念)で準備組合まで出来た時は、複雑な気持ちだった。いまでも多くの住民は、喧騒のまちに はなってほしくないと思っているはず。住んでこそまちであり、寺内町は生活のにおいがするまちでありつ づけたい」と愛する寺内町の熱い思いを語った。 また、参加者から「寺内町には立派な町家が多い。しかし、時間が止まったままで元の形のまま残ってい る。京町家は生き続ける町家として、現代風の暮らしが続いている。町家を再生するために改修を優先させ てきた」、「空き家解消は不動産の証券化も有効」といったアドバイスもあった。 コメンテーターの宗田好史・京都府立大学准教授は「寺内町も京町家も高齢者が多い。空き家の発生率もほ ぼ同じ。文化を忘れて古い町並みだけが残ってきた。文化は人間の心であり、建物から得られるエネルギー である。そういった感性を持つことが大事。そして、みんなで文化を守り、育てていかなければいけない」 と語っている。
2007年09月13日
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