第4回神戸建築物語 旧居留地の記憶
引き続いての座談会では、‘まちの資源としての建築‘をテーマに、建築家の武田則明・神戸山手大学教 授、旧居留地連絡協議会常任委員長で明海興産?理事の富岡良典氏、同協議会コンサルタントで?地域問題 研究所代表の山本俊貞氏の各氏が旧居留地での思いを語った。 武田氏は、70年代に三宮地区に比して衰退傾向にあった元町地区が、居留地の建築物を利用した大丸百貨店 のリニューアル計画により活性化した経過を説明、「全国に五つあった外国人居留地の中で一番完成度が高 い」とした。 山本氏は、阪神大震災後の旧居留地のまちづくりについて、106棟のうち地震で22棟が全壊し、復興に際して は、昭和初期のまちなみを参考にスカイライン形成などに関するガイドラインを作成し、「居留地の考えか たを理解してもらった」と、その取り組みを語った。 富岡氏は、「現在、居留地には1,000社、2万5,000人が働いている」とし、地区内を四つのグループに分け 「隣組」を結成し、災害時の相互支援体制などを構築している協議会の活動を報告した。 フォーラムでは、参加者から「現在の旧居留地は神戸港との関わりが薄い」、国道2号線で分断されてい る」などの意見がでたほか、終了後は、旧居留地はもとより、神戸で最も古い異人館である15番館などの見 学会が行われた。
2007年11月01日
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