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第4回神戸建築物語 旧居留地の記憶

◆ミニフォーラムと見学会◆ 神戸の建築物等を通して、神戸の歴史や文化、物語に触れる「神戸建築物 語」の第四回が27日、神戸市中央区の神戸市立博物館で開催された。今回 は、開港140周年を機に近代神戸の発展に寄与してきた旧居留地に焦点をあ て、‘旧居留地の記憶‘がテーマ。市民ら約190人が参加し、ミニフォーラム としての講演会と座談会、見学会が行われた。 初めに、神戸外国人居留地研究会会長の神木哲男・神戸大学名誉教授による 講演‘旧居留地の記憶 近代建築の時代 ’が行われた。講演では、明治初 期から昭和までの各年代毎の居留地の変遷についてを解説。神木教授は、下 水道や歩車道分離道路などの整備、外国人建築家の手による欧風館の建設な ど初期における居留地の形成過程、居留地返還後の造船・海運業の隆盛、金 融恐慌と時代の変遷と旧居留地のかかわりを述べた。 特に大正時代には、現在もその姿を伝える日本人建築家による海運会社のオ フィスビルの建設がはじまり、また昭和初期には金融機関のビルの建設が本 格化したとし、神木教授は、これら建築物を「長崎や横浜などの旧居留地に もなく、神戸に唯一現存するもの」とし、「神戸の誇るべき文化遺産」と指 摘した。
引き続いての座談会では、‘まちの資源としての建築‘をテーマに、建築家の武田則明・神戸山手大学教 授、旧居留地連絡協議会常任委員長で明海興産?理事の富岡良典氏、同協議会コンサルタントで?地域問題 研究所代表の山本俊貞氏の各氏が旧居留地での思いを語った。 武田氏は、70年代に三宮地区に比して衰退傾向にあった元町地区が、居留地の建築物を利用した大丸百貨店 のリニューアル計画により活性化した経過を説明、「全国に五つあった外国人居留地の中で一番完成度が高 い」とした。 山本氏は、阪神大震災後の旧居留地のまちづくりについて、106棟のうち地震で22棟が全壊し、復興に際して は、昭和初期のまちなみを参考にスカイライン形成などに関するガイドラインを作成し、「居留地の考えか たを理解してもらった」と、その取り組みを語った。 富岡氏は、「現在、居留地には1,000社、2万5,000人が働いている」とし、地区内を四つのグループに分け 「隣組」を結成し、災害時の相互支援体制などを構築している協議会の活動を報告した。 フォーラムでは、参加者から「現在の旧居留地は神戸港との関わりが薄い」、国道2号線で分断されてい る」などの意見がでたほか、終了後は、旧居留地はもとより、神戸で最も古い異人館である15番館などの見 学会が行われた。
2007年11月01日
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