新神戸ロープウェー再整備等事業 ＰＦＩの特定事業に

 ４月に入札公告  神戸市はこのほど、「新神戸ロープウェー再整備等事業」をＰＦＩの特定事業に選定した。市が、神戸市都 市整備公社から取得して施設の再整備と運行を継続するため、リスク調整などの評価を行った結果、財政負 担額の軽減が見込まれることからＰＦＩの特定事業に選定したもの。事業は、ロープウエー施設の改修と運 営、維持管理を行うＲＯ方式で、併せて指定管理者制度による布引ハーブ園の管理業務も行う。事業者の選 定は公募型プロポーザル方式を予定、４月にも募集要項を公表する。 この事業は、1991年にオープンしたハーブ園のアクセスとして都市整備公社が整備したロープウェーを、老 朽化対策としての大規模更新とともに効率的な運行システムを構築して、ハーブ園の魅力向上により集客力 強化を図るため、民間事業者のノウハウを活用してコスト縮減や市民・観光客へのサービス向上を目的とし たもの。 昨年12月の実施方針公表が、市が直接実施した場合とＰＦＩ事業による場合について、定量的評価と定性的 評価を行った結果、ＰＦＩでは、定量評価で約21％の財政負担額の削減が見込まれ、定量的評価でも運行管 理や維持管理上での効果が期待できることから、特定事業に選定したもの。 事業は、ロープウェー施設の設計と再整備、事業期間における運行と維持管理をＲＯ方式のＰＦＩ事業と し、ハーブ園は指定管理者制度に基づき、ＰＦＩ事業者が運営と維持管理を行う。ＰＦＩ事業者は、ＳＰＣ を設立して事業を実施。業務範囲は、調査業務と設計業務、改修業務、工事監理業務、運行・維持管理業務 で、指定管理業務では、植物管理をはじめ、施設管理や営業企画、経常修繕などの各業務を行う。 事業期間は、ロープウェーの改修は2011年３月31日までとし、現場改修工事は2010年４月以降に実施し、ロ ープウェーとハーブ園の運営は、2010年４月から2026年３月までとしている。ロープウェーは、傾斜長 1,471・37ｍの単線自動循環式普通索道で、高低差330ｍに、駅舎として北野町一丁目駅と風の丘駅、布引ハ ーブ園駅の３駅を有している。 主な応募資格は、事業を円滑に遂行で、安定的かつ健全な財務能力を有する単体か複数企業で構成するグル ープとするが、建設業務と工事監理業務の兼務は認められない。このうち設計業務担当者は、1998年４月以 降に類似施設の基本設計か実施設計の実績を有していること。また建設企業は、建築一式工事での特定建設 業の許可を有し、同一式工事での経営事項審査の総合評定値が850点以上で、1998年４月以降に類似施設での 改修・新設工事の施工実績を有する者を１社以上含むこととしている。 今後の予定では、４月に募集要項を発表して現地見学会を開催、５月に参加表明書と資格審査申請書を受け 付け、資格審査後の７月に提案書の提出を求め、８月に最優先交渉権者と指定管理者を決定する。事業契約 と基本協定の締結は12月を予定している。

2009年02月10日