BCS関西の現場見学会 マルイト難波ビル作業所で開催
次いで松岡英治所長が、ホテル部分やオフィスフロアなど、「いろんな工夫を凝らしてきた」と述べ、工事 への取り組みと作業にあたってのポイントを説明した。この後、工事概要の説明に続き、松岡所長はじめ作 業所スタッフの案内により、高層階から低層階までを順次、見学した。 施工の特色としては、基礎杭の支持層が薄いため、ジオエクスプローラーによる支持層の調査を実施、躯体 工事では、地上躯体において柱を現場打ちのSRC造とし、梁をS造としたKM工法を、地階構築にあたっ ては逆打工法を採用した。 現場は、OCATの東隣に位置し、千日前通りに面する市街地施工であり、計画でも敷地に余裕がなかった ことから、1階から7階までの低層部を後回しにして鉄筋加工などの作業ヤードや、資機材等のストックヤ ードとして使用したほか、逆打工法も敷地面での制限から採用されたもの。また、建物内の目玉であり、松 岡所長が言う「オーナーのこだわりが深く、我々もその想いを実現をできるよう智恵を絞った」のがチャペ ル。‘19世紀の教会‘をコンセプトに、イギリスのブロックハンプトンにあるアーツ・アンド・クラフツ様 式の教会を再現するもので、そのこだわりは内装・外壁ともモックアップにより確認するなど徹底され、 「特に外壁のタイル仕上げに苦労した」(松岡所長)とする。 一方、同現場では、2次元バーコード(QRコード)を発行して、携帯電話かカードで各作業員の確認と入 退場を把握する入退場管理システムの導入をはじめ、作業効率を高める各種の取り組みが行われているほ か、ゼロエミッション活動では、徹底した分別収集をはじめとする取り組みにより、昨年10月には国土交通 大臣表彰が授与された。 建物の内部構成は、地下1階から地上3階までを店舗等の商業フロアとし、4階から6階を駐車場に、7階 から20階をオフィスフロア、21階から31階はホテルで、このうち21階から23階にチャペルと宴会場などを設 ける。客室数は348室を確保している。 工事は、2007年3月に着工、竣工予定は2009年6月30日。現在の進捗率は約83%で、これまで約130万時間に 及ぶ無事故・無災害記録を継続中。
2009年03月06日
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